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いのちはどこからきたの?

さる2019年5月19日、さいたま市大宮区で2019年5月定例セミナーを開催しました。今回は、公益社団法人 誕生学協会認定 妊娠準備教室講師・産後教室講師で誕生学アドバイザーでもある平井郁子(ひらい・いくこ)氏に登壇いただき、『いのちはどこからきたの?』というテーマに進行していただきました。

『誕生学』という言葉はまだなじみはないものの、性教育をベースとしたスクールプログラムを子どもたちや親世代に提供し、生きることの大切さ、性に対する正しいとらえ方を伝えるとともに、自尊感情を育むことで素晴らしい人生に資する活動であり、既に全国の1000を超える小中学校で展開しているとのことです。

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平井氏によると、学校教育の中で『性教育』というカリキュラムが登場したのは意外にも新しく、1999年とのこと。今回の参加者はそのはるか以前に小学校や中学校を卒業しているため、過去の記憶をたどると学校できちんとした性教育を受けたという人は皆無でした。講師の平井氏ご自身も、まともな性教育を受けたことがなく、しかしワールドワイドにとらえるとユネスコでは性教育からさらに昇華した『セクシャリティ・エデュケーション』カリキュラムとして整っており、日本ではこの分野が相当遅れているとの実感を持ったとのこと。

性教育の遅れが、性暴力や中絶に繋がっていたり、ひいてはそれがDVや虐待、そして人間関係の対立など様々なストレスを引き起こしている側面もあるわけで、そういった状況をできるだけ解消していかなければなりませんが、誕生学協会が展開しているスクールプログラムでは、それを目指した内容になっているとのことです。

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平井氏からは、実際に招聘された小学校で行っているスクールプログラムを実演していただき、子どもたちに伝えている内容を詳細に紹介していただきました。

また赤ちゃんが誕生するメカニズムなど、誰からも教わっていないはずの赤ちゃんの、胎内での行動に、初めて知る内容もあり参加者からは感嘆の声が上がっていました。

このプログラムを受講した子どもたちに、受講前と受講後に自画像を描かせると、明らかに絵の中の表情や振る舞い方に良い変化が出ているそうで、それだけ子どもたち自身の自尊感情が高まった証左でもあります。

コーチングと誕生学。一見、関係がなさそうな言葉ですが、少し内容に踏み込んだだけで、『自尊感情』や『承認』といった、コーチングの中にもよく出てくるワードがちりばめられており、しかも「自分で自分の行動を決められる人になっていくこと」が誕生学のスピリットであるとのことで、大きなつながりを知ることができました。

アンケート

今日の収穫はどのようなことでしたか? その収穫をご自身の生活に、どのように活かしたいですか?

  • 誕生学という切り口から自尊感情が自然と生まれるプロセスを見ることができました。性教育からセクシャリティ教育へ(歪んだ形の古い性教育で育っていました、私は)。(CMさん)
  • これまでの自分の振り返りができました。(SYさん)
  • 自己肯定感が上がりました。自分はすごいことをした。周りのみんなもすごいことをした。そして愛されて今まで生きてこられた。両親、家族、周りの人たちに感謝したい。<活かし方>他人と比較して落ち込むのではなく、自分ができることで役に立ち、人生を楽しんでいく。どうしてそう思ったの? という問いを出してみる。(JOさん)
  • 命の重さ。<活かし方>出会った人を大切にしたい。(MKさん)
  • 命の力をもって生まれてきた。自己肯定感。自分って大事な存在。改めて子供を持てた事の喜びを思い出した。(JSさん)
  • 性教育が自尊感情を醸成するメカニズムであること。<活かし方>ただ生きているだけで素晴らしい、ということを日々かみしめること。(MOさん)
  • 誕生するということの素晴らしさを学びました。<活かし方>自分の子供に「うまれてきてくれてありがとう」を伝えたいと思います。(TKさん)
  • 命の誕生から出産まで、知らないことを一杯学んだ。1人1人の人間が貴重な存在であるということを知り、自尊感情を高めるには最高のプログラムだと知った。<活かし方>今後、学校の経営コンサルタントを始める予定なので、ぜひ提案したい。(STさん)
  • 実生活やコーチングセッションに相通じるところが多かった。<活かし方>若い人と接する機会があれば活かしたいと思います。(KTさん)

十分な理解や納得ができず、残っているモヤモヤ感があればそれを教えてください。

  • 生物学、危機回避、相互関係の構築など、取り扱う範囲が広いですね……コーチングでは、関係構築を深めたい。(SYさん)
  • 特にありません。時間にアレンジされてまとまった内容になっていたと思います。(JOさん)

この後、「行ってみよう」「行いたい」と思うことは何ですか?

  • 小学生やその親に対するセミナーに活用します。(CMさん)
  • 周りの人の存在を承認すること(職場の上司や後輩に対して)。(JOさん)
  • 相手の命も自分の命も大切にすること。超えに耳を傾けようと思いました。(MKさん)
  • 大1、高3の娘に関連の本を見せたりして、もう自分で決める年齢だけど、自分の身体を大切にしてほしいと伝えたい(JSさん)
  • 会社でも誕生学を学ぶ機会をつくってみたいと感じました。(TKさん)
  • キャリア教育(STさん)
  • 実生活やセッションの場で講師の考え方を活かせればと思います。(KTさん)
  • 「生まれてきてくれてありがとう」という言葉を、自分にとって大切な人に伝える。(MOさん)