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2012年2月18日~19日の日程で、関東4チャプター(群馬チャプター埼玉チャプター茨城チャプター栃木チャプター)合同企画の『関東4チャプター交流会』が、茨城県古河市の「古河市交流センター平成館」で開催されました。

7回目を迎えた今回は、各県から延べ32名の参加者を集め、盛況のうちに終了しました。以下、2日間のもようをレポートします。

1日目(2012/2/18)

アイスブレイク

0:30pm~1:00pm

メイン幹事の群馬チャプター・大石チャプター長の開会宣言のあと、各チャプターがホームページをプロジェクタに投影しつつ、チャプターの活動内容や参加者の自己紹介を行いました。おなじみのメンバーの中に新しい参加者もちらほら見られ、2日間の交流会を期待させるアイスブレイクとなりました。

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左から茨城チャプター・栃木チャプター・埼玉チャプター・群馬チャプターの各参加者

基調講演~『その瞬間を捉えてコーチする』

1:00pm~3:45pm
日本コーチ協会理事 平野圭子氏

photo-02交流会のメインワーク、平野圭子コーチの基調講演。毎回年が明けて間もない時期に開催されるこの交流会で平野氏は新しいワークの内容にチャレンジする良い機会とされているらしく、「毎回参加するのが楽しみ」とのことです。
今回は『その瞬間を捉えてコーチする』というテーマで進行しました。
コーチングが成立するためには、コーチング・スキルよりも何よりもコーチとクライアントの間に信頼関係が結ばれていることが大前提となります。信頼関係を結ぶのはコーチとクライアントとの共同作業であり、いくらコーチがクライアントのことをおもんぱかった行動や言葉であったとしても、クライアントが信頼する気持ちにならなければ信頼関係は成立しません。
そして信頼関係の構築には、クライアントの反応を見逃さず、適切なフィードバックを行うことも肝要です。
photo-03ワークでは各自で2人組を構成し、テーマを決めてコーチングセッションを行いましたが、その際に平野氏から「コーチ役は自分の内面を意識しながらセッションを行うこと」というリクエストがありました。クライアント役の言動や反応に対してコーチ役自身がどういう反応をしたか、そこに意識を向けるということは、ふだんなかなかできていないことです。
その上で、クライアント役はコーチへの信頼感や安心感、またコーチングセッションで自分が主体性を保てたか否か、自分が成長する実感を得たか、といったアセスメントを行い、コーチ役にフィードバックしました。
その後、お互いが目を合わせつつ立ち位置を変えてみたり、相手の姿を見ながら客観的事実を時間内にいくつも口に出すフィードバック、そして自分の内面を言葉にして伝えるワーク等を行い、お互いの信頼感や安心感、成長の実感をもう一度測るために再度セッションを行いました。
平野氏からは「日々の生活の中でもその瞬間の内面の気持ちに意識を向ける」ことの大切さと、その実践が「瞬間を捉えてコーチする」ことにつながる、というメッセージを最後にもらいました。

群馬チャプター主催勉強会『プレゼンスを磨く』

4:00pm~6:30pm
群馬チャプター・三好智玄(みよし ちげん)氏

メイン幹事・群馬チャプターは、今回の交流会に際して『コーチのコア・コンピテンシー』を大きなテーマとして掲げ、勉強会を企画しました。11項目の『コア・コンピテンシー』の中で今回は「関係性を築く」に着目し、1日目は『プレゼンスを磨く』、2日目は『信頼関係を築く』ワークを行うこととなりました。
photo-04『プレゼンスを磨く』ワークは、(財)生涯学習開発財団認定マスターコーチ、国際コーチ連盟(ICF)プロフェッショナル認定コーチであり、(株)コーチ・エィ CTPクラスコーチトレーナーでもある三好智玄氏がファシリテーターとなって進行しました。
まずは「プレゼンス」について深掘り。参加者全員が大きな輪を作って着席し、自分に関係する人の中で嫌悪感を持ってしまうケースを出し合い、なぜそれが嫌悪に感じるのか、同じ容姿(プレゼンス)なのに人によって嫌悪に感じたり好意を持つのはどうしてか、お互いの考えをシェアし合いました。たとえば米国大リーグ・シアトルマリナーズのイチロー選手はヒゲを生やしているが、それに嫌悪感を持つ人は少ないものの、街中にいる中年男性の生やしたヒゲはなぜ嫌悪感を持ってしまうのか、その違いは何か、といったような議論です。
やはりそこには単純な容姿の違いだけではなく、その人との関係性が大いに影響することがシェアされるとともに、『プレゼンス』はその人の与える影響度そのものであり、プレゼンスを磨くには、IQチャネルよりもむしろEQチャネルへの着目が重要であることを学びました。
最後に自分の最高のプレゼンスをイメージして言語化し、2人組のセッションを行って「現状はどうか」、フィードバックを行いつつギャップを明るみにするワークを行いました。

懇親会

6:30pm-8:30pm

photo-06泊まりがけの交流会だからこそ、時間を気にすることなく酒食をともにできるのが醍醐味。しかもふだんは味わえないチャプター間を越えての交流で参加者一同大いに盛り上がりました。
いつも、食べきれないくらいのたくさんの料理を、とてもリーズナブルなお値段で用意していただいています。『平成館』の皆さま、ありがとうございます。
photo-07そしていつものように懇親会終了後も場所を座敷に変え、日付変更線を越えて、笑い声の絶えない楽しい交流を深めました。

2日目(2012/2/19)

群馬チャプター主催勉強会『信頼関係を築く』

9:00am~12:00am
群馬チャプター・鈴木結子(すずき ゆいこ)氏

photo-082日目は、(財)生涯学習財団認定プロフェッショナルコーチ、国際コーチ連盟(ICF)認定プロフェッショナルコーチであり、日本アクションラーニング協会認定ALコーチの鈴木結子氏がファシリテーターとなり『信頼関係を築く』というテーマで進行しました。
1日目の平野圭子氏の基調講演でもあったように、コーチとクライアントの信頼関係があって初めてコーチングは成立します。コーチとクライアントの間にある空間をどう捉えるか、そこに意識しなければ信頼関係は築けません。今回はその信頼関係を築くプロセスを実感するために、2人組を3回入れ替え、3回とも「夢を語る」というまったく同じテーマでコーチング・セッションを繰り返す試みを行いました。
セッション中にコーチ役が全幅の信頼をクライアントに向けるため、どこまでクライアントの話を傾聴できていたか、クライアントの容姿・居ずまいに至るまでフォーカスできていたかを確認するための質問が鈴木氏より投げかけられ、信頼関係を築くのは、相手の背景にまでしっかりとフォーカスしなければならず、一筋縄にはいかないことを大いに学ぶことができました。