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「ICFコア・コンピタンシーを理解する」

2011年1月16日(日)、さいたま市大宮区において、2011年1月定例セミナーを開催しました。

今回のセミナーは、昨年(2010年)9月のセミナーに引き続き、埼玉チャプター会長であり、コーチ・エィCTPクラスコーチでもある砂川邦夫氏を講師に、『ICFコア・コンピタンシーを理解する』をテーマに進行しました。

コーチング発祥の国である米国を本拠としてコーチング普及のために世界的な活動を展開している組織、国際コーチ連盟(ICF)では、コーチとしての資質を向上させるため、あるいはコーチとしてのトレーニングのレベルを測定するために、『コーチのコア・コンピタンシー』を制定しています。

コーチングとはコミュニケーション技術の一つの手法として理解されてはいますが、しかし単なるスキルではありません。コーチとしての一定の資質が備わってこそ、そのスキルが活きるわけで、むしろこのコア・コンピタンシーを理解し、これに沿った研鑽を努めることが肝要である、と理解されています。

今回は「効果的な質問」と「率直なコミュニケーション」をテーマに、主に「効果的な質問」に重点を置いて進行しました。

コーチングを学ぶ中で「効果的な質問」は「傾聴」「承認」と並ぶ重要なスキルと理解されていますが、では何をもって「効果的」なのかということは、実はあまり詳しくは語られていません。

砂川氏は、広辞苑に記載されている「効果的」の意味をひもといた上で、「『効果的』という単語の裏に隠れている本質を理解しなければ、本当の意味で効果的な質問はできない」と説かれました。

続いて「ではクライアントにとって『効果的』と言える『望ましい結果』とは何か?」という課題に取り組み、ホワイトボードに書き出すワークを行いましたが、一気にホワイトボードのスペースがなくなるくらい、各参加者からさまざまな考えや意見が出されました。さらにその『望ましい結果』を導くことに意識して、3~4人1組となったコーチング・セッションを行い、各人のコーチング・スタイルについてフィードバックすることによって検証を行いました。

photo-02また「率直なコミュニケーション」では、フィードバックの姿勢やコーチングの目的が伝えられているか、クライアントに対して適切で敬意を込めた言葉が使えているか、メタファーや逸話を使うことができるか、といったアセスメントを行いましたが、各参加者からは「フィードバックやメタファー、逸話が使えるか、という設問に対して『イエス』と言えるためには、コーチ自身のファウンデーション(自己基盤)が確立していることが肝要であることに改めて感じ入った」という意見が相次ぎました。

コーチのコア・コンピタンシーは、コーチとしてクライアントとどう向き合い、そしてどう成果を出していくかという本論を司る部分であるだけに、今後も引き続きこの種のワークを深耕していきたいと考えています。