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「all about コーチング戦略」

2008年1月20日(日)、さいたま市大宮区において2008年1月定例セミナーを開催しました。

今回は、日本コーチ協会(JCA)理事・森川里美氏をお招きし、30名近い参加者とともに「all about コーチング戦略」と題して、コーチングにおける戦略のたて方を、ケーススタディを用いながら組み立てていくワークを行いました。

「コーチング戦略」と言うと、何かしら仰々しいイメージがありますが、コーチングの本来の目的である「クライアントの目標を最短で達成させるための気づきを促すコミュニケーション」を効果的に行うためには、コーチ側にコーチングを進めていくうえでの展望、すなわち戦略が必要であり、かつ重要なファクターとなります。

まずは「戦略」という言葉について理解を深めるために、類義語の「戦術」と並べてその違いを探ってみました。辞書を引くと「戦略」は「長期的・全体的展望に立った闘争の準備・計画・運用の方法」とあり、「戦術」は「ある目的を達成するための具体的な方法・手段」と書かれてあります。

photo-02参加者一同でディスカッションしたところ、「戦略」とは「大きな方向性」「長いレンジ」「全体的計画」といったようなフレーズが並び、「戦術」とは「アイテム」「スキル」「短いレンジ」といったキーワードが引き出されました。

そしてコーチングにおける戦略とは、「もし●●●だったら▲▲▲する」というように常に仮説を立てて方向性を探り、クライアントに確認していくことの繰り返し、という意であることを学びました。

photo-03続いて少人数のグループに分かれ、配布されたケーススタディをもとに、それぞれのコーチング戦略を立てていくワークを行いました。参加者一同から活発な意見が出て意表をついた戦略もたくさん挙げられました。このワークを通して、たとえば「タイムマネジメントを目的」としたコーチング依頼に対して「直接タイムマネジメントを戦略の中心に据え」たり、「転職を目的」としたコーチング依頼に対して「天職を直接」扱うと、まず戦略としては破綻することを学びました。つまり、前者だと「時間が足りない」、後者については「転職したい」という意識の裏側にある本質をあぶり出さないと、クライアントの自発的な行動を促したり、クライアントが自由にビジョンを描くことが難しい、というものです。

最後に、参加者それぞれの課題や問題点を挙げてもらい、それらを全員で戦略的に解決していくディスカッションを行いました。お互いの悩みをシェアするとともにそれを解決するための体験談などが披露され、参加者一同、多くのヒントを持ち帰ることのできた充実したセミナーでした。

セミナー終了後は、森川コーチを囲んで懇親会が行われ、楽しく会食をしながらコーチング談義を深めるひとときを過ごしました。